かわさきTMOについて

かわさきTMO(かわさきタウンマネージメント機関)は、地元の商業者を中心に街で活動する様々な事業者が中心となり、お互いに話し合い、協力しあいながら、「望ましい街づくり」に向けて街づくりを発案し、計画的に実行していく組織です。
現在対象となる地区は、川崎駅を中心として、東は富士見公園、南はプール道路、西はラゾーナ周辺、北は多摩川の約100ヘクタールです。

かわさきTMOは、5つの働きをします。

  1. 川崎駅周辺地区のビジョンづくり
  2. 合意形成の促進
  3. 各種事業の実施と実現支援
  4. 各種調査
  5. 行政への提案・働きかけ

川崎駅周辺地区のタウンマネージメント

1. 都市をマネージメントする

 タウンマネージメントという言葉が使われだしたのは、今から20年ほど前になります。都市をつくるということの中に、「都市を運営する(マネージメントする)」という新しい視点が生まれました。それまでの都市開発の流れは、都市基盤(インフラ)や地区的開発は行政機関が開発し、都市内の民有地の建物単体は民間が開発するというものでした。

 都市が大きく成長している時には、増大する人口や拡大する経済活動のキャパシティーを大きくするため都市開発が盛んに行われますが、都市がある程度成熟すると都市開発の社会的要請は減少していきます。

 一方で、「都市の質」が求められてきます。例えば、「都市の景観」や「都市の多様性」や「都市それぞれ固有のらしさ」とかが「都市の格」としてさらに「都市の魅力」として求められてきます。これら都市に対する社会的要請は、ただインフラを整備して、再開発を進めて、新しいビルを建てれば応えられるものではなく、別の方法が必要になります。

 そこで生まれたのが「都市をマネージメントする」という考え方でした。つまり、都市開発の方法が、単なるハード(都市建設)だけではなくソフト(都市運営)が重要であると考えられてきました。そこから生まれたのがタウンマネージメントという方法でした。

 我が国では、平成10年に中心市街地活性化法が施行され、その中でTMO(タウンマネージメントオーガナイズ)が位置づけられました。我が国の場合、都市マネージメントの導入は商業地区の再編、活性化という視点が中心となりました。当時、日米間において日本の障壁の一つとして、商業施設の立地が障害とされたことに端を発して生まれたものでした。

 一方で、中心市街地においては、都市が本来持つ機能としての「賑わい、商業、文化、観光」などの都市の魅力が失われてきました。地方都市における衰退は著しくより深刻な状態となり、行政的な手法の限界が明らかになり、かつ都市開発への民間投資もほんの一部の地域を除いて冷えきった状態が続いています。
このような全国的状況の中で、川崎は例外的なポジションにあります。最も大きな要因は、人口の増加にあります。川崎市の人口はまもなく150万人になるでしょう。また、川崎駅周辺でみれば、西口に広がっていた東芝工場跡地に大型商業施設が生まれ、東口側では駅前広場が整備され、川崎の玄関であり顔である川崎駅周辺地区が大きく生まれ変わりました。

川崎駅東口駅前広場再編整備
川崎駅東口駅前広場再編整備(出典:神奈川県HP)